春はギックリ腰の季節!? 東洋医学的アプローチ
暖かくて過ごしやすかった今年の冬ですが、春が少し早く来すぎているのか、
春によく起こる症状であるギックリ腰や寝違え、こむら返りなど、筋を痛めて来院される方が多いです。
なぜ春にギックリ腰?
慢性化しているものは“腰は腎の腑なり”と言われ、腎と関係があるとされています。
過度の疲労や長期の病気が腎に及んだものなど、
加齢による腰痛はほとんど腎が弱まっていることから起こり、
腎が影響を受ける冬に悪化することが多いです。
東洋医学で使われる陰陽五行説では、春に影響を受けやすい臓器は“肝”で、
肝は筋をつかさどるとされ、春、肝気の変調に伴って、このような症状が起こりやすいと考えられています。
肝は血を貯蔵したり、気の巡りをスムーズにしたりする機能があるので、
肝が乱れると、気血の流れに影響が及び、巡りが悪くなってしまい、
筋に影響が出ることも考えられます。
さらに春先は風が強く、風邪(ふうじゃ)がアレルギーなどの様々な症状の一因となると考えられています。
ギックリ腰や寝違えなども、風に吹かれたり、急な温度変化などで悪化しやすいと言われています。
ギックリ腰に効果的な対処法
基本的に、ギックリ腰や寝違えには、気血の巡り、特に血行をよくすることが大切です。
体を冷やすのはNG。
疲れの溜めすぎ、食べ過ぎも巡りを悪くするので気をつけましょう。
水分の取りすぎ、冷たいものの摂りすぎにも注意が必要です。
一番大事なのは、予防です。
ギックリ腰や寝違えの症状がでる人は、普段から腰痛や首こり、肩こりのある方がほとんどです。
普段から鍼灸治療やストレッチや適度な運動、食事などで(体を温めるものを食べる)、
少しでも気血の巡りをよくしておきましょう。
ぎっくり腰とは?その正式名称は?
ぎっくり腰の正式名称は急性腰痛症といいますが、その名のとおり、いきなり腰が痛くなる症状をさします。
原因は多様で、重たい荷物を持ち上げたとき、仰向けの状態から勢いよく体を起こしたとき、
急に体をひねったときなど、日常の何気ない動作がいくつかあげられます。
基本的には安静にしていれば治りますが、
適切な対処をしないと慢性腰痛になることもあるため注意が必要です。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰というと、すぐに腰の骨がどうにかなってしまったことをイメージしますが、
主なきっかけは背中の筋肉・筋膜の損傷です。
とくに、腰に力が入らずへなへなと座り込んでしまうような症状の場合は、
いわゆる肉離れが生じている可能性が高いです。
しかし、このときに無理をしたり、発症を繰り返したりすると、
二次的に椎間板や椎間関節などの損傷を招き、
さらに髄核ずいかくが飛び出して神経を圧迫し椎間板ヘルニアを引き起こしてしまうこともあります。
ぎっくり腰になりやすい要因は?
若い人や普段から体を鍛えているアスリートでも、激しいスポーツ時にぎっくり腰になることがあります。
一方、いつもと変わらない動作なのに、なぜぎっくり腰が突然起こるのかというと、
筋肉が緊張していたり疲労がたまったりしているからです。
自分では意識していなくても筋肉疲労は毎日起こっており、睡眠や運動、栄養などで回復をしています。
しかし、運動負荷や悪い姿勢の連続といった腰への負担が続くと、
回復スピードが追いつかず、ある日突然キャパオーバーになるのです。
よい姿勢と悪い姿勢
ぎっくり腰の処置法は?
通常、ぎっくり腰になった2~3日後は、冷湿布や保冷効果のあるもので冷やし
、ある程度痛みが軽減されてきたら、温めるのがよいとされています。
入浴もこのタイミングで行ってよいとされていますが、一番よい判断法は自身の感覚です。
不快と思ったら入浴は控え、湯温は自分が一番心地よいと思う温度に調整して下さい。
一般的にはお湯の温度は38℃ほどがよいといわれています。
くしゃみでぎっくり腰!?
くしゃみの速度は時速に換算すると320キロ以上といわれており、
体には物理的に物凄い負担がかかっています。
くしゃみは突然出るものなので未然に防ぐことは難しいのですが、
「出そう」と感じたときはすぐに背筋を伸ばすだけでも違ってきます。
くしゃみが数回にわたって続くと、ぎっくり腰だけではなく、肋骨などを骨折する場合もあります。
腰痛持ちの人は、くしゃみでさらに痛みがひどくなる場合もあるので、普段から気をつけることが大切です。
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