噛む大切さ
こんにちは、院長の高尾です。
「しっかり噛んで食べなさい。」
誰でも一度は、言われたことある言葉ですよね?
今日は、この噛む役割についてお話ししたいと思います。
口、舌の働きを考える時に最も大きな役割はというと、食物を咀嚼(そしゃく)することであります。
歯そのものは、腎水の支配を受け、さらに腎水の働きによる唾液によって守られています。
それ故に、虫歯の予防、歯の強化には、腎水の働きを強めることと併せて、顎(あご)の下の唾液線周辺の気血の巡りを良くし、唾液の分泌を促すことが効果的であります。
このことは、歯や口腔内のことに限らず、健康な身体づくりには欠かせない重要な事です。
噛むことにより唾液が多く出て、これが消化を助けると同時に体内の津液を分泌させることにつながり、それがまた腎臓の働きを良くして、さらにキレイな津液をつくりだすというふうに影響し合っています。
また、唾液を十分に分泌させることは、虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)などの予防に効果があり、噛むことの効用は計り知れないほど大きいものがあります。
東洋には「水は噛んで飲め、飯はよく飲み込め」という言葉があるように、水はいきなり飲むと冷えるので、口に含んで噛むように飲み込み、ご飯は口の中でドロドロの液状になるまでよく噛み、飲み込めるようにして食べよということであります。
ちなみに、唾液とは別に疾(しつ)というのがありますが、これは湿邪を受けて排出されたのもで、出てこない場合は、むくみとなって現れます。
また、噛むという作業は、食物に求心的に作用するので、食物を陽性化して体内を温める働きがあります。
故に陰性の体質の人ほど、噛むことで身体を温めるように心がける必要があります。
もう1度意識してよくかむことをお勧めします。